篠田です。起業する事について、以下のようなイメージを持っていませんか?
- 失敗して大きな借金を背負う事になるかも…
- 失敗してから再就職なんて出来そうにない…
- 色々な人に迷惑をかけてしまうかも…
そのイメージの通りです。
実際、起業して1年後には3〜4割が廃業し、5年後には8〜9割が廃業するといわれています。夢ばかり見て下準備をろくに行わないまま、勢いと行動力だけで何とかしようとした結果、売上が思ったように増えず、生活費や月々の借金の返済までお金が回らずに廃業を余儀なくされるケースが多いようです。
これから紹介するルールに従えば起業リスクをグッと軽減し、失敗の可能性を下げることができます。簡単に手をつけられることから紹介していきます。
- 人に頼る
- メリハリをつけて生活する
- やらない仕事を決める
- きちんと帳簿をつける
- 事業計画書を作成する
- まずは目の前の顧客に商品・サービスをきちんと売る
- マーケティングや営業活動を日常業務にする
1. 人に頼る
失敗する人の中には、独立や起業というワードに、自立して身一つでバリバリと仕事をしているというイメージがあり、変なプライドが邪魔をして人に頼らずに仕事をしようとする人がいます。
特に多いのが「親戚・友人には頼りたくない」と言う方。理由を聞けば、親戚や友人に頼るのは甘いと思うから、とのこと。
しかし、こういう事を言う人こそ甘いのです。
独立・起業して成功するという事は決して楽な事ではありません。はじめは藁にもすがる思いで仕事を取ってくる、という気持ちでないとあっという間に敗者となります。
また、親戚や友人は既にある程度あなたの事を信頼しているはずです。その人たちに頼られ、満足させられるような商品やサービスが提供出来なければ赤の他人からお金をもらう事なんて出来ません。
ここから次の売上に繋げられないようであれば1年で失敗する事が目に見えていますので起業は諦めましょう。
2. メリハリをつけて生活する
サラリーマンやOLを辞めて起業すると、時間や場所に縛られる事がグッと減ります。私の場合、大きなストレスから解放され、持病の偏頭痛が治り、しょっちゅう出来ていた口内炎が全く出来なくなったくらいです笑
しかしこの時間や場所の縛りから解放されるという事が、本当に厄介です。
時間については、夜寝る時間や朝起きる時間が遅くなる事については度が過ぎなければ大して問題にはならないと思います。
問題となるのは期限のない仕事が大量にあること。そしてこれらの仕事が本当に重要なものばかりだったりします。
名著「7つの習慣」でも、緊急度よりも重要度の高さで物事を行うよう書かれていますね。特に起業したての頃は緊急度の高い仕事は少ないので、その頃から重要度の高い仕事を行うことで、忙しくなる前にしっかりとした土台を築いて失敗のリスクを下げることができます。
場所が自由になることのリスクについては、ほとんどの方が身に覚えがありますよね。仕事の効率が上がる場所を見つけてくださいね。
私の場合自宅には妻と子供がいてあまり集中が出来なかったので、なるべくカフェやコワーキングスペースを転々とするようにしていました。ただし、クライアントの資料を扱う仕事はどうしても外に持ち出せないので、妻に協力してもらい自宅でやっていましたが…。
3. やらない仕事を決める
起業したての頃はとにかくガムシャラに、どんな仕事でもやれ!なんてよく聞きますよね。間違いとは言い切れませんが「どんな仕事でも」については私は反対です。
どうしてもやりたくない仕事というものは存在します。ここで言うやりたくない仕事というのは、「安い仕事」という意味ではなく、本当に「やりたくない仕事」です。
例えば私の場合、
顧問契約、下請け、少しでも法律に反すること、
この3つはどれだけ高い報酬を提示されても受けないと決めています。理由は明記しませんが、私なりのポリシーや信念が込められています。
これは経営理念に通ずるところがあります。本当は経営理念を作るのが一番なのですが、とりあえずはこの「やりたくない仕事」を明確にしておくことであなたの事業に一本の芯のようなものが出来ます。
なんでもかんでも仕事を受けていると、周りに流されてあなたの思ったような事業を作り上げていくことは出来ません。
理想の生活を手に入れるために起業をするのですから、理想に向かって舵を切るためにも、信念に基づいた「やらない仕事」を決めるべきなのです。
4. きちんと帳簿をつける
帳簿をつけることは非常に重要ですが、苦手とする人が多いことも事実です。そして多くの起業したての方は帳簿をつけることの目的は、確定申告をするためだと思っています。
なので面倒くささと、やらないといけないという義務感から後回しになりがちなのです。
税務署に指摘されてから申告すればいいや、と確定申告をしていない方に出会ったことがあります。
結果、現在では数千万円の売上高があるにも関わらず、今更申告が出来なくなってしまい、いつ来るか分からない税務調査に脅えながら生活されてました。
確かに、もし税務調査が入れば悪質なケースなので、長期に渡って遡り重加算税がかけられるでしょう。ほぼ確実に事業を続けることは困難になります。
帳簿をつけることはそこまで難しいことではありません。また、事業を始めたてのときは所得も少ないので、所得税は数万円程度、もしくは返ってくるケースだってあります。
めんどくさかったり、数万円をケチるために悪い心を持ってしまったことで後々大きな枷となってしまう可能性が大いにあります。
また事業の管理のために帳簿をつける必要があります。どんぶり勘定では実体は見えてきませんからね。会計は経営の基本中の基本です。
失敗をする人の多くは帳簿をつけることや会計を敬遠します。
帳簿のつけ方についてはメール講座『7日でマスター!ゼロから始める経理実践講座』を無料で配信をしています。この記事の最後にリンクがありますので、興味のある方は是非ご登録をしてみてください。
5. 事業計画書を作成する
事業計画なしで起業することは、地図もコンパスも持たずに砂漠をさまよう事と同じです。事業計画書を作らないといけないことは分かってるけど、どうやって、何を書いていけばいいか分からない、という声もあるかと思います。
具体的な作り方については後日別記事にて紹介させていただきます。
事業計画書というと、銀行から借入をするときや誰かに出資を求めるときに作らないといけないものじゃないの?と考えている方も多いことでしょう。
もちろん人に自分の事業を説明するために事業計画書を見せることは非常に有効な手段となります。
しかし、事業計画書の一番の目的は経営者が自身の道標を見つけることなのです。やるべきことを明確にし、それを一つずつ実行していく、いわばチェックリストのようなものでもあります。また、計画と実績の差異を分析し、軌道修正していくためにも事業計画書は必須です。
事業を始めてみないとどんな数字になるか分からない、という方でもとにかく一度作ってみる事が大事です。自分の思う利益を上げる事がどれだけ大変か見えてくるはずです。
もちろん、計画なしで事業を始めて野生の勘や圧倒的な運の良さで成功する人もいます。しかし、それは特殊な例であって、あなたの人生が失敗してしまうリスクを冒してまで「事業計画を作らない」という判断は絶対に出来ないはずです。誰かに見せるためではなく、あなたのために、必ず作成してください。
6. まずは目の前の顧客に商品・サービスをきちんと売る
起業をすると大きな収入を期待しすぎて、商品やサービスがしっかりと定まっていないままマーケティングや営業活動に注力してしまいがちです。
もちろん売るための戦略も大事ですが、質の悪いものを売りつけられても顧客の不満が溜まり、せっかくできた繋がりを切られてしまう事になりかねません。まずは身近な人や紹介などで繋がった人に商品やサービスを買ってもらい、あなたの商品の良いところ悪いところをしっかりと見つけ、改善を繰り返しましょう。
ちゃんとした商品も持っていないのに異業種交流会に足を運んでも、愛想笑いと雑談をするだけで名刺の無駄です。Web戦略を練っても肝心の商品がボヤけていては成果が出ず、時間の無駄です。
ちゃんと胸を張れるあなたの代表的な商品やサービスを作ってから売る戦略を考えましょうね。
7. マーケティングや営業活動を日常業務にする
ここまでのルールをきちんと守っていれば、あとはあなたの自慢の商品をより多くの人にたくさん買ってもらうだけです。
しかし、ある程度の売上を得て、仕事量が増えてくると、目の前の仕事に追われて、マーケティングや営業活動がかなり疎かになってきます。
今の収入で贅沢な生活が出来ているし、十分忙しいからこれ以上仕事を増やしたくない、という理由でついついサボってしまうのですね。
そうなると、知らず知らずの間に絶対に売上高が下がってきます。絶対にです。しかし、気づいた頃には目の前の仕事に追われ、売る戦略を考える時間的な余裕がなくなっています。
そして出てくる言葉が「今は景気が悪いから」。こうなると赤信号です。
そうならないためにも、起業時からマーケティングや営業活動を日常業務の中に組み込み、どれだけ忙しくなってもその業務はサボらないようにしてください。
おわりに
この7つのルール、次のような言葉に置き換えてみると経営者がやるべき事だと認識しやすいでしょうか。
- (人脈構築)人に頼る
- (時間管理)メリハリをつけて生活する
- (経営理念)やらない仕事を決める
- (計数管理)きちんと帳簿をつける
- (経営戦略)事業計画書を作成する
- (商品開発)まずは目の前の顧客に商品・サービスをきちんと売る
- (マーケティング戦略)マーケティングや営業活動を日常業務にする
どちらにせよ、あなたがしっかりと事業に向き合って行動しない限りは失敗する可能性は消えません。
これから起業する方はしっかりと下準備をして、既に起業している方は原点に立ち返って、夢を実現させましょうね。