徹底比較!青色申告会計ソフト人気の4本

Laptop on Desk office and Graph analysis spreadsheet, Business finance

篠田です。確定申告が終わり、春になり新年度が始まりました。重い腰を持ち上げて、会計ソフトを導入してきちんと帳簿をつけよう!と意気込んでいる方も多いのではないでしょうか。

日頃からしっかりと帳簿をつけ、青色申告をする事で多くのメリットを受ける事が出来ます。

ただし、青色申告のメリットを受けるためにはある程度レベルの高い帳簿をつける事が要件としてあがっています。とはいえ、この要件は会計ソフトを使いこなす事で簡単にクリアする事が出来ます。今話題のクラウド会計ソフトと、いまだに高いシェアを誇るインストール型をあわせて、人気の会計ソフトを比較してみます。

ちなみに青色申告を受けるには、青色申告を受けたい年の3月15日までに青色申告承認申請書を提出する必要があります。つまり現時点で提出していない方は今年は青色申告を適用できず、来年以降から青色申告を適用することができるということですので、ご注意ください。

当記事を読む前に、予備知識として以下の記事に目を通しておくことをオススメします。

何が違う?クラウド会計ソフトのメリットとデメリット

比較の基準

会計ソフトを比較する際にポイントとなる部分を紹介します。

操作性

  • 伝票入力のしやすさ
  • 動作の快適さ等

自動仕訳機能がついたソフトが増えてきていますが、経理業務のほとんどは目で見て手入力をしなければならないのが現状です。なので、操作性の高さは非常に重要と言えます。インストール型の方が伝票入力がしやすい傾向があり、ネットに繋がっていない分動作も軽快です。操作性についてはインストール型の方が優れている事が多いです。

機能性

  • 銀行やクレジットカードのデータの明細自動取込・自動仕訳
  • 管理・分析のしやすさ等

クラウド型のソフトを中心に、自動で仕訳を予測したり、明細を自動取得したりと、経理業務の負担が軽くなる機能が充実しております。機能性についてはクラウド型の方が優れていることが多いです。

その他

その他の特徴を評価します。

価格

年間コストで比較をします。インストール型は税法や会社法が大きく変更があった時に買い替えの必要が出てきますが、現在発売されているソフトのほとんどが消費税率10%にも対応しており、少なくとも購入から5年間は使えると予測されます。なので、インストール型については5年間使用することを前提として、年間コストを計算します。

人気の会計ソフト徹底比較

シェアNo.1!バランスのとれた優等生。弥生株式会社『やよいの青色申告』

こんな人にオススメ

  • 失敗しない無難なソフトを選びたい方
  • シェアの高いソフトを使いたい方
  • 会計ソフトにコストをかけたくない方

こんな人には向いてません…

  • 快適な明細自動取得・自動仕訳作成機能を使いたい方
  • Macで使用したい方
  • 複数台のPCで使用したい方

基本情報

バランスのとれた弱点が少ないソフト。もともとインストール型のソフトですが、最近クラウド型のものが発売されました。初心者から上級者まで全ての人が満足できるような会計ソフトです。また、シェアが高いのでネットの情報や書籍が豊富で、対応してくれる税理士にも困りません

インストール版はWindowsのみ対応。2015年10月から発売のクラウド型の「やよいの青色申告オンライン」ではMacにも対応しており、弥生製品のインストール版を使用してきた方でもクラウド型への移行がスムーズに行えます。

操作性☆☆☆☆

基本的な伝票入力方法を備えており、初心者向けの入力方法も充実しています。初期設定についても特に問題はありません。シェアが高いので、弥生形式の仕訳吐き出し機能が他社ソフトに搭載されていることがほとんどですので、仕訳のインポートも難なく行えます。

機能性☆☆☆

基本的な機能はほぼ備えています。ただし、一括自動明細取得・自動仕訳は別ソフトを起動して行うので、MFクラウド確定申告やfreeeよりも使いにくいです。使いにくい、と言うよりも私は未だにまともに動かせたことがありません。私が悪いのかもしれませんが、他社ソフトはもっと簡単に動きますので、今後改善を期待したいところです。またこの別ソフトは平成28年4月現在、Internet Explorerでしか動作しない点が非常に残念です。

その他☆☆☆☆

シェアが高く、サポートや書籍も充実しています。人気のソフトなだけあって、画面も見やすく非常に分かりやすいソフトです。

1ライセンス1ユーザーしか使用できません。ユーザーを増やす場合は有料となります。

価格

記事作成時点で、Amazon.co.jpでインストール型で10,190円(5年程使える見込みで、2,038円/年

クラウド型が8,640円/年となっております。

やよいの青色申告 16 通常版(新消費税対応版)

自動仕訳No.1!株式会社マネーフォワード『MFクラウド確定申告』

こんな人にオススメ

  • 銀行やクレジットカードの取引が多い方
  • Macで会計ソフトを使いたい方
  • 複数台のPCで会計ソフトを使いたい方

こんな人には向いてません…

  • 快適な動作を求める方
  • 会計ソフトにコストをかけたくない方

基本情報

バランスのとれた弱点の少ないクラウド型のソフト。以前は伝票入力に難があったものの、仕訳帳入力が可能となり簿記や経理の知識・経験がある方にもなじみやすいものとなりました。一括自動仕訳やデータ移動機能も他のクラウド会計ソフトと比較しても優れています。万能なクラウド型会計ソフトです。

クラウド型ですので、インターネットに接続できる環境さえあればWindows、Mac、どちらでも動作します。

操作性☆☆☆☆

『仕訳帳入力』の導入により、クラウド会計ソフトにありがちな、「今までと違いすぎる」感がなくなり、従来の会計ソフトに近い形で入力することが出来るようになりました。これにより簿記や経理の知識・経験がある方にも仕訳入力がしやすくなりました。ただしネットに繋がっている分、動作の快適さには欠けます。

機能性☆☆☆☆☆

銀行口座やクレジットカードを同期して取引明細を取得し、仕訳を作成する機能がとても優秀です。MF会計ではアマゾンや楽天市場の取引明細を取得することが可能な点や、クレジットカード使用時に明細を取得できる点が強みとして挙げられます。クレカ使用時に明細取得ができることは経営管理上かなり重要ですので高評価となります。

その他☆☆☆☆☆

3ユーザーまで使用できるため、社内や税理士など、複数人で情報をシェアすることができます。

価格

月額800円 / 年額8,800円

[申告準備が1/5に] MFクラウド確定申告(青色申告・白色申告) [Mac/Win対応・業界最多のサポート・全自動クラウド型会計ソフト]

操作性No.1!簡単・快適。ソリマチ株式会社『みんなの青色申告』

こんな人にオススメ

  • とにかく使いやすいソフトを選びたい方
  • 現金取引が多い方
  • 会計ソフトにコストをかけたくない方

こんな人には向いてません…

  • 自動明細取得・自動仕訳作成機能を使いたい方
  • Macで会計ソフトを使いたい方
  • 複数台のPCで会計ソフトを使いたい方

基本情報

初心者にもわかりやすいインストール型の会計ソフトです。圧倒的な操作性の高さを備えています。経理作業の中で時間がかかるのは、現金取引の入力や書類の整理ですので、預金やクレジットカードの取引がそこまで多くない方にはこのソフトの方が他ソフトよりも効率性が上がる可能性もあります。コストパフォーマンスが非常に良い点も魅力です。

Windowsのみに対応しており、Macでは動作しません。

操作性☆☆☆☆☆

初心者に分かりやすい、取引内容を選択するだけで仕訳を作成する機能など、多くの初心者向けの入力方法に対応しています。また、操作性が他ソフトよりも高く、私が同一種類の仕訳を複数行入力した場合には、平均1取引2.5秒で入力することができました(他ソフトでは5〜6秒程度)。

機能性☆☆☆

自動明細取得・自動仕訳機能は対応している金融機関が少なく、実用的ではありません

その他☆☆☆

他会計ソフトへ移行するための仕訳インポートやエクスポートが出来ない点が残念です。※法人用の「会計王」では対応しています。

1ライセンス1ユーザーしか使用できません。ユーザーを増やす場合は有料となります。

価格

記事作成時点で、Amazon.co.jpで6,557円(5年程使える見込みで、1,311円/年

みんなの青色申告17 新消費税対応版

分かりやすさNo.1!freee株式会社『freee(個人事業主プラン)』

こんな人にオススメ

  • 簿記の知識がほとんど無い方
  • 銀行やクレジットカードの取引が多い方
  • Macで会計ソフトを使いたい方
  • 複数台で会計ソフトを使いたい方

こんな人には向いてません…

  • 快適な動作を求める方
  • 会計を事業管理にしっかりと使いたい方
  • 法人成りを考えている方
  • 会計ソフトにコストをかけたくない方

基本情報

 クラウド会計ソフトでトップシェアを誇っています。特徴は何と言っても分かりやすいこと。簿記や経理の知識が無い人をターゲットに開発されたソフトだと思われます。その分、簿記や経理の知識や経験のある方には使いづらいと感じることも少なくないようです。

クラウド型ですので、インターネットに接続できる環境さえあればWindows、Macどちらでも動作します。

操作性☆☆☆

決済口座を選択して、それがどのような用途で、何円増減したのか、といった感じで入力をしていく、独特の方法です。簿記を全く知らない方には分かりやすい入力方法ですが、簿記や経理の知識がある方には非常に使いづらいです。また、このような独特の方法は「MFクラウド確定申告」や「やよいの青色申告オンライン」にも搭載されており、いまやfreeeの長所とは言い難いものです。もしくはエクセルなどでCSVファイルを作成し、インポートする方法もありますが、フォーマットの自由度が低く、あまり使い勝手は良くありません。

機能性☆☆☆☆

 預金口座、クレジットカードの明細自動取得、自動仕訳機能は快適に動作します。しかし、クレジットカードの明細取得については請求額確定時に取り込まれるので、実際にカードを使用した時とソフトに入力する時期がズレてしまい、経営管理上良いとは言えません

その他☆☆☆☆

確定申告書の作成が他社製品と比較して圧倒的に分かりやすいシステムとなっています。ある程度知識が無くても自分で確定申告書を作ることが出来そうです。

補助科目を設定することが出来ないため、管理上非常に不便です。代わりにタグ機能がありますが、使いにくく分かりにくいです。

3ユーザーまで使用できるため、社内や税理士など、複数人で情報をシェアすることができます。

価格

月額980円 / 年額9,800円

全自動 クラウド 青色申告ソフト freee(フリー) 【個人事業主向け:1年版】 Mac・Windows 新消費税対応・見積納品請求書 [オンラインコード]

会計ソフトは一長一短

会計ソフトにはそれぞれ長所と短所があります。

とりあえず青色申告が出来ればOKというのであれば絶対にfreeeがオススメですし、大量の現金取引の領収書のある方はみんなの青色申告がサクサク入力できてオススメです。

やよいの青色申告やMFクラウド青色申告はバランスのとれたソフトだと思うので、長く付き合えるかと思います。

ちなみに私自身は、事業の帳簿については今までずっと「みんなの青色申告」の法人用「会計王」でつけていましたが、今年に入ってから「MFクラウド青色申告」に乗り換えました。

すると、わずかなロード時間にストレスを感じるものの、銀行に通帳記入に行ったり、クレジットカードの明細とにらめっこする時間が無くなり、経理業務は楽になったように感じます。

 

特にクラウド会計ソフトについては今後もどんどん改良がされていき、それぞれの弱点が克服されていくのだろうなと思います。

会計ソフトを導入すると経理業務がとても楽になり、事業管理も楽しくなりますよ(赤字が続くと胃が痛くなりますが笑)。

あなたにぴったりのソフトが見つかると良いですね。


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